子供の矯正
小児矯正について
小児矯正の特徴
来院していただくのは2~3か月に1度になりますが、治療期間は長期間になります。
治療の結果、歯並びや噛み合わせも良くなりますが、来院ごとに歯磨きの仕方や虫歯のチェックも合わせてできるので、安心していただけると思います。
小児期に矯正をすることで、大人になった時には矯正治療の記憶は曖昧でほとんど覚えていない方もいます。
小児矯正を開始するのに適した年齢
歯並びがガタガタであれば、永久歯の前歯が生えてきた7歳前後が最適かと思いますが、受け口は、3歳健診で指摘されることも多く、その場合は4歳ごろから治療を開始します。
いずれにせよ、歯が生えたら、当院にお越しいただき、歯磨きの方法や注意点などをお伝えさせていただきますので、歯並び噛み合わせについても一緒に確認していきましょう。矯正のタイミングは最適な時期がありますので、様子をみていて遅れてしまってはもったいないです。
小児矯正の必要性
矯正治療は、単に見た目をよくするための方法ではありません。歯並びが悪いと歯磨きもやりにくいですし、食べ物もしっかり噛めません。その状態のまま、成長していった時、それは本来の成長なのでしょうか。
身体の大きさのバランスは遺伝情報で決まっていると思います。永久歯の数は28本、それらがきれいに並ぶ歯並びが本来の形です。
ではなぜ並ばないのか、生まれてからのお口の使い方で成長がうまく進んでいないからかもしれません。できるだけ早く軌道修正をおこない、しっかりと磨けて噛めるお口へと導いていくべきと考えます。
メリットとデメリット
メリット
- 永久歯を抜かないこと
- 痛みを我慢しなくてよいこと
- 治療費が比較的安価であること
- 矯正装置を外すことができること
デメリット
- お子さんとご家族の協力が
必要なこと - 治療期間が装着時間や協力度によって長期間になること
- 成長によっては新たな問題が生じる可能性があること
メリットをメリットと考えるかどうかは人それぞれですが、当院ではそのように考えています。
治療期間について
積極的に歯を動かすような時間は、1~2年程度です。もちろん開始時期にもよりますが、最適な時期に開始していればその程度になります。
その後も、永久歯が完全に生えきって噛み合うまで確認しますので、12歳~14歳ころまで定期的な通院をお願いしております。
治療期間も、毎週のように通院することはありません。1月から3月に一度の来院で診察しますので参考に考えてください。
時間がかからないケース
時間がかからないのは、悪いクセがなく、奥歯の噛み合わせが正常で、歯が並ぶ場所がしっかりしているが、前歯1本だけ傾いているのが問題であるようなケースは比較的短期間で安定した状態になります。
矯正治療なら比較的簡単に改善できるけど、自然には簡単には改善できない。自然に治るかもと様子をみている間に状況は良い方には進んでいかないことが多いです。
時間がかかるケース
歯並びだけでなく、悪いクセもあり、噛み合わせも問題、姿勢も悪い、治療に協力的でない、来院が滞りがちなど、時間がかかる要素はたくさんあります。
2年以上経過しても改善がなされない場合は、なかなかやる気を持続するのは困難でしょう。しっかりとお食事を噛んで食べないとどうしても噛み合わせが不安定で時間がかかります。姿勢に気を付け、しっかりと噛むことが成功の道です。
当院の矯正歯科の特徴
当院では、床矯正(しょうきょうせい)治療に取り組んでおります。床矯正は、成長を利用するため低年齢から治療に取り組めること、矯正装置が取り外せるので食事や歯磨きに影響しないこと、永久歯の抜歯をしないでいいこと、痛みを我慢しなくていいことなど、良いところがたくさんあります。
装着時間は14時間が基本ですが、学校から帰ってきて、夕食以外の朝まで装着していただければ時間の確保は難しくありません。
小学生の低学年から初めて、卒業するまでにはおおよそきれいになっている。やはり、中学生は勉強もクラブ活動も小学生よりずっと忙しくなりますし、女児の場合は成長も止まってきますので、早めにスタートすると良いと思います。
歯並びが悪いことで起きるトラブル
虫歯や歯周病
歯並びが悪いと、歯ブラシの毛先が届きにくく、磨き残しができやすくなります。
そのため、虫歯や歯肉炎(歯ぐきの炎症。歯ぐきが赤く腫れて、歯磨きのとき血が出たりします)になりやすいです。
食べものがよく噛めないと、唾液の分泌量が減り口の中の汚れがどんどんたまり、歯の病気だけではなく、口臭の原因にもなります。
顎関節症のリスク
口を開けたとき耳のそばでカクカク音がしたり、口が大きく開かないなど。これが子どもや女性に増えている顎関節症の症状です。
悪い姿勢や精神的なストレス、歯ぎしりなど色々な原因がありますが、歯並びの悪さから起こる場合もあります。
消化が悪くなる
咬み合わせがよくないと、しっかりと噛めないだけでなく、唾液の量が減って消化されないまま飲み込むことになります。
消化されないまま食事をしていると胃腸などの消化器官への負担が大きくなることにも繋がり、消化吸収されないということは子どもの成長を著しく阻害する原因にもなります。
発音がしにくい
症状によってはサ行やタ行の発音がハッキリしなくなることがあります。特に外国語の発音に困ることが考えられます。今後はますますグローバル社会が加速化されます。
そんな中で外国語の発音に困ってしまうと、お子様も外国語を学ぶことに対して前向きになれないかもしれません。
肩こりや頭痛の原因
噛み合わせが悪いと、なんとかうまく噛もうとして、あごが不自然な動きをするので、あごや筋肉にムリな力がかかってしまい、そのため頭痛や肩こりなどが起こることがあります。
精神的なストレスに
歯並びが気になって人前で笑うことができない、うまく発音できないので会話が嫌になったり、人と会うのが億劫になるなど精神的なストレスに繋がります。
こんな歯並びは要注意!
- 出っ歯 見た目から気にされる方は多いです。噛み合わせが合わないために口呼吸となり、口の中が乾燥します。乾燥は虫歯菌の蔓延に繋がります。
- 受け口 いわゆる「しゃくれ」状態です。前歯でものを噛み切ることができないために消化器官への負担過多、発音不良、顎関節症などへ繋がります。
- すきっ歯 隙間にものがつまることで虫歯の原因となったり、サ行やタ行の発音がしづらくなったりしますので英語の発音を気にされる方もいらっしゃいます。
- でこぼこ でこぼこに生えていると歯磨きをしてもどうしても磨き残しが出て、虫歯や歯周病の原因となります。八重歯も叢生になります。
- 開咬 奥歯はしっかり噛み合わさっているのに前歯は開いている状態です。発音不良や口の乾燥からくる虫歯などの問題があります。
- 交叉咬合 噛みにくいのはもちろん、顔が歪んだり、顎関節症へ繋がります。 成人してからの矯正は外科手術を伴うこともあります。
矯正治療の流れ
- 初診時矯正相談 お口の中を拝見して、歯並びの状態とその矯正治療について1時間程度ご説明いたします。
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矯正治療を開始/検査
歯並びの状態、虫歯、歯周病、顎の関節や筋肉の状態について細かに診察し、その後歯型をとり、歯並びのレントゲン写真を撮影します。
検査結果を踏まえた上で、年間400件を越える豊富な治療実績から、患者様にとってベストな矯正プランをご提案します。 -
歯型を技工所に送り、矯正装置を製作
検査結果から、「床矯正での治療」がベストと判断された場合、撮らせていただいた歯型は技工所(東京)に送られ、床矯正研究会の主幹である鈴木説矢先生にも確認していただき装置を製作します。
床矯正研究会技工所は、高い技術を持ち、当院が信頼するメディカルパートナーです。
※矯正装置の完成までには、1ヶ月ほどお時間をいただきます。 -
矯正装置の装着
矯正装置が完成したら、再度ご来院いただき、いよいよ装着となります。この日から治療開始が本格的にスタートします。
装置の取り外しの練習や取り扱いについて詳しく説明し、注意文書もお渡しします。 - 矯正装置の調節・メンテナンス 1ヶ月後に装着状況と進み具合の確認をします。また必要によって矯正装置を調節します。その後は、治療の進み具合によって、1ヶ月から3ヶ月位の間隔で来院していただきます。
- ブラッシング指導 矯正治療の最中は、虫歯になりにくい歯を作っていく事が大切です。そのために、定期的なチェックと正しい歯磨きの仕方などをお伝えしていきます。